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魔訶不思議アドベンチャー!

作詞 森由里子/作曲 いけたけし/編曲 田中公平/歌 高橋洋樹

1986年ドラゴンボールオープニングテーマ。
「魔」の字は作詞をされた森由里子さんが考案された「当て字」である。本来「摩訶不思議」と書くのだが「魔」の字を使う事でドラゴンボールの世界観を見事に表現していると思う。

1985年12月「ひらけポンキッキ!」のKテレビ・プロデューサーS女史から「Dr.スランプ」の後シリーズ「ドラゴンボール」のオープニング曲とエンディング曲のオーディションがある、歌詞は既に決定済みなので、作曲のオーディションに参加してみては?との話があった。
いけさんは女の子向けのメロディーが得意だと思うから、「ロマンティックあげるよ」を先に書くように。余裕があればオープニングも書いてみて、と言われオープン・エンドの歌詞原稿2通をいただいた。

約一週間「ロマンティックあげるよ」の作曲をしてデモは完成。締め切りまで1〜2日あったので「魔訶不思議アドベンチャー!」の作曲にとりかかった。つかもうぜ!ドラゴンボール!・・・歌詞の冒頭からスラスラとメロディーが浮かんできたことを覚えている。あっという間に曲が仕上がった。
デモテープを提出。数日後にオープン・エンドとも私の作曲が採用になったと連絡があった。

決まってから後がちょっと大変だった。英語がペラペラのT動画プロデューサーSさんの要望で「アドベンチャー」部分のメロディーを数パターン考えて欲しいとのこと。「アドベンチャー」を英語の「adventure」に聞こえるようにしたいとこだわっておられたのだ・・・。しかし、森由里子さんの歌詞原稿はカタカナの「アドベンチャー」なんだからこのメロディーでもいいのでは?とは言えなかった・・。結局、最初に提出したメロディーに。

オーディションに集まったデモテープはオープニングだけで30数タイプだったと聞いている。お馴染みの歌詞に30数通りの曲が付いていたわけだ。
現在の比ではないが(桁が違う!)、当時としては大オーディションだったようだ。S女史がとても喜んでくれたのは言うまでもない。

レコーディング時の様子は「ロマンティックあげるよ」のエピソードを参照。

1986年オンエアー開始直後に発売されたのは今では懐かしいドーナッツ盤(EP盤)のシングルレコードだった・・。
CDは既に存在していたが、キッズ・アニメ関係はレコード盤やカセットテープが主流だった。

その後、時代は劇的にCDにシフトして行く。